【少年野球審判講座】第3回「球審の基本的スタイル」



球審の基本的スタイル

さて、いよいよ審判の実践編となります。

一番、判定する数が多く責任も重いのが球審です。

7イニングの少年野球でも1試合で審判の下す判定の総数は300回ほどありますが、球審はそのうちの7割以上をになうのです。

全ての投球判定、それに伴うスイングや本塁近辺のフェアファウル、打者や捕手の妨害、フィールド内の打球判定等々です。

極論するなら球審さえしっかりしていれば試合は引き締まりますし、それゆえにかつては「主審」とさえ呼ばれていました。

まずは立つ位置ですが、本塁ベースや捕手の真後ろには立たないように。

必ず打者と捕手の間に立ち、この隙間から投球判定を見てください。

ここはスロットポジションと呼ばれます。

そしてできるだけ捕手に近付き、捕手の肩越しにミットの捕球位置を見ます。

こうすれば高低が非常によくわかります。

内角も目の前に投球が来るのですから、正確に見ることができます。

では、外角はどうか?これは打者と同様に数をこなして感覚として覚え込むのです。

打てるコースならばストライクでOK

プロ審判員ならばボール4分の1から半個程度の精度を求められますが、少年野球はもっとおおらかで大丈夫。

バットが届き打てるコースならばストライクでOK。

ゾーンを狭くすれば打者も積極的に打たなくなり、四球合戦となるばかりです。

「ストライク!」とは球審が打者に「打て!」という命令の言葉なのです。

だから大きなコールをします。

反対打席のラインに触れぬならばストライク、そんな心構えでいいのではないでしょうか。

本塁プレートにかすった、かすらない、そんな尺度で見る必要はありません。

大切なのは一貫性です。

グリーンゾーン(安全地帯)

またこの位置が推奨されるのは安全だからです。

たとえ軟式のボールでもファウルチップが当たれば相当に痛いものですし、怪我をすることもあります。

不思議なことにファウルチップは必ずや真後ろか外側に飛んでいくのです。

スイングの内側に飛ぶことは滅多にありません。

ですからここはグリーンゾーン(安全地帯)とも呼ばれます。

構えは3通り

構えは3通りあります。

両足を大きく開き、捕手にかぶさるように中腰で構えるボックス。

片足を大きく後ろに引き、頭部を突き出すように構えるシザース。

膝を地面に着け、膝に手を置きどっしりと構えるニー。

それぞれに一長一短はありますが、まずはボックスで取り組んでください。

これが基本中の基本です。

何よりもプレーに対して素早い反応ができますし、目の高さの調整をしやすく、打席近辺が非常に見やすいのです。

目の高さはストライクゾーンの上限(肩とベルトの中間点)に置き、ここより上はボールと認識してください。

当然、捕手の頭より上になります。

下限は膝の下部ですが、少年野球の場合は膝下が20センチ程度しかない子供もいますから、ワンバウンドでもストライクとなることが度々あります。

前述したように打てる球はストライクなんだ、と勇気を持ってコールしてください。

まとめ

コールはとにかく大きな声を出すこと。

誰が見ても明らかな空振りでしたらあえて「スイング!」とコールする必要はありませんが、攻撃側も守備側もまずは判定に従って次のプレーが生まれるのです。

特に状況が大きく変わる三振目、四球目は大切です。

ジャッジが合っていてもそれが不明瞭でしたら大混乱となります。

「羞恥心」などという言葉はグラウンドに入った瞬間に捨て去る、そんな覚悟が必要です。

そうすれば堂々と見えますよ(笑)

 

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この記事を書いた人山﨑 夏生山﨑 夏生
1955年7月2日、新潟県上越市生まれ。幼少期から野球が大好きで、プロ野球選手を目指すも、実力を悟り断念。79年に北海道大学文学部国文科卒業後は、プロ野球担当記者になろうと、日刊スポーツ新聞社に入社。しかし、野球現場への夢を諦めきれずに一転、同社を退社して82年にパシフィック野球連盟と審判員契約を締結する。84年、一軍戦に右翼線審として初出場(西武対南海)。同年に、Jr・オールスター戦に出場(以後3年連続出場)すると、86年イースタン・リーグ優秀審判員賞受賞した。88年、一軍戦で初球審(ロッテ対南海)すると翌年、一軍戦レギュラーメンバーに昇格。フロリダのジム・エバンス審判学校(フロリダ)への派遣留学、オールスター戦出場などの経験を積み、99年7月に一軍公式戦1000試合出場達成。10年10月に千葉マリンスタジアム最終戦(ロッテ対オリックス)で現役引退するまでに、一軍公式戦1451試合に出場した。その間、歴代1位、計17回の退場宣告を行った審判として知られる。引退後は日本野球機構(NPB)と審判技術指導員として契約。18年に同機構を退職し、現在は「審判応援団長」として審判の権威向上と健全なる野球発展のために講演・執筆活動を行っている。

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