「8分の力」をどう伝えるか?



教材購入者からこのような質問をいただきました。

 

【質問】
息子は小学校3年生です。

小1のときから地元のチームに入っております。

この秋から先発投手を任される様になりました。

練習では10球中、8球はストライクがとれます。

低学年の試合では投手がストライクが取れるかどうかでぜんぜん試合の展開が違いします。)

全身を使って、所謂全力投球の状態で投げている時は、力のあるストライクが来ます。

ストライクが入らず、ストライクを入れようと力を抜くと安定しません。(置きにいく?)

一方で、全力でも、肩に力が入る、力みの状態となるとフォームとリリースポイントが崩れます。

試合では、ボールが続くと、監督から「力を抜け」と指示されるが、力を抜くと却って安定しない。

私との練習の時には、逆に全身を使って思い切って投げろというと、元のフォームとリズムに戻ります。

しかし、全力で投げていると、3回~4回あたりで疲れてくるのか、崩れてくる。

息子には、全身を使って、「8分の力」で、いつも同じフォームというより、同じリズムで投げる様に指導しているのだが、なかなか、この「8分の力」というのを伝えるのが難しい。

ピッチングに限らず、バッティングにおいても、また他のスポーツにおいても、8分の力というのがあるかと思うのですが、小学校3年生にどう伝えたらよいのか悩んでいます。

先発ピッチャーは、完投を意識する時のペース配分や、よく、いけるところまで飛ばすといったといった表現を使うと思いますが、実際のところ力の配分はどうなのでしょうか?

一方で力を入れる、入れないというのは、体のどの部分なのでしょうか?

私の考えるには、腕の振りは意識せずに、踏み出したあとの、腰の回転、体幹のひねり、リリースのときの人差し指と中指だと思うのですが。

以上つらつらと書きましたが、何かヒントやアドバイスを頂けると幸甚です。

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◆「8分の力について」
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まず私の考えから書かせていただきますと、「8分の力で投げろ」という言葉の狙いは「100%の力」で投げるためにそれを阻害したり、抑え込もうとする無駄な力を取り除けということですね。

しかし、「8分の力」というとどうしても受け手は力の加減をしようとします。

その結果腕の振りを抑えたり、体を必要以上に遅くしてしまい、ボールをコントロールやスピードを落としてしまったりします。

感じられておられるように、「8分の力」ってどんな力なのかを伝えることはもちろんですが、それ以上に伝える側も「8分の力」を理解することはむずかしいです。

「7分の力」と「8分の力」の違いって、どのくらい、どのように違うのか自分の力でも力の加減が不明確です。

そもそも自分の力の10分っていったいどのくらいなのかも正確に把握することってとても難しいですね。

自分の力でも違いが分からないものは、伝えられた相手もそれ以上に理解が出来ません。

言葉の遊びになってしまいますが、もし声をかけてあげるのであれば、「8分の力」ではなく、冒頭で記した100%の力で投げるためにそれを邪魔する無駄な力を取り除こう」と伝えてあげて下さい。

私が行った無駄な力を取り除く方法を一つご紹介します。

それは必要なところに力を入れてあげるという方法です。

もし投げる時に両肩や腕に力が入っている場合は、お腹(おへそから下)に力を入れながら投げてみて下さい。

どこかに力を入れる(意識がある)と、その他の部分に力が入りにくくなります。

お腹に力を入れる意識を持つことで、肩や腕に無駄な力が加わることを抑えてくれます。

一度試してみて下さい。

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◆ピッチングにおける「ペース配分」について
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私のチームメイトもこの「ペース配分」という言葉で自分の力を発揮出来なかった事例を何度も見ています。

私にもあります。

「8分の力」については、先に記しましたが、「ペース配分」という言葉もまた「8分の力」と同じく、自分の持っている実力を加減してしまうことにつながる言葉です。

ですから、まず「全力を継続すること」を目指していただきたいと思います。

※ただし全力というのは速い球ばかりではなく、スローボールも全力です。

試合の中で投げるスローボールは周りが見ているよりも疲れるものなんです。

全力を継続するために何をすべきかと考えると、「走り込んでスタミナをつける」ということが頭に浮かびます。

確かにそれもとても大切なことですし、欠かすことは出来ませんが、それだけではありません。

一つは球数を少なくするということもあります。

下位の打者にきわどいコースへ投げながら球数を増やすよりも、ストライクを先行させて早めに打たせるという配球。

また上位の打者でも前の打席の様子から、ストライク先行で早く打たせるという配球。

球数を減らすことで、全力で投げるイニングを伸ばすことも出来ます。

また、投手は自分で全てのプレーのスタートをきることができます。

つまり少し疲れてくれば、投球と投球の間の時間を長めにとり、体力を回復させることもできます。

そういう試合の中での工夫と普段のトレーニングをあわせながら、全力を継続する力を作っていっていただきたいと思いますし、常に全力を出し切っていくことで、自分の限界線を押し上げていくことができます。

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◆力の入れる部分と入れない部分
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先ほどお腹に力を入れると記しましたが、おっしゃるようにボールを離す前にボールに力を伝え込む際にも指先から力をかける意識は生れます。

ただ、きちんと体重移動のフォームが出来ていれば自然と投げるポイントに上半身と腕が運ばれてくるので「指先に力を入れるぞ」と思わなくても「あ、ここで力をいれるんだな」という感覚で投げることができます。

投球フォームについてはこちらの映像をご覧ください。
http://www.1baseball-club.com/field_01/

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